木の家づくりネットワーク|施工事例

小田原の家=神奈川県

海風が通り抜ける吹抜けと大黒柱の家

幅が約10M、奥行きが約25M、敷地面積が約270㎡(80坪)という比較的余裕のある広さです。間口より奥行きの長い敷地の形をどのように活かすかが設計のポイントでした。
敷地の南側の幅全体を駐車スペースとアプローチとして、前面道路の幅が4m未満で車の出入りが難しいこともありましたので、駐車スペースの奥行きを少し多めにとりました。
正面から見て、シンプルな三角形の屋根=切妻(きりづま)屋根が左右対称にきれいに見えるようにデザインしました。

仕様

工法・階数
木造軸組工法/
2階建て
面   積
1階85.93㎡、2階70.23㎡
延床面積156.16㎡、敷地面積271.58㎡
外 部 仕 様
顔料入り漆喰モルタル
ガルバニウム鋼板屋根
内 部 仕 様
(床)桜、杉縁甲板
(壁)顔料入り漆喰、ロール和紙
(天井)金山杉縁甲板、ロール和紙
所 在 地
神奈川県小田原市

PIONT ココに注目

  • 家の中央にある吹抜け
  • 吹抜けを支える大黒柱
  • 屋根は杉のあぜくら板
  • エコポイント住宅
  • 太陽光とガスエンジン発電
  • 床暖房とペレットストーブ
  • オープンカウンターキッチン
  • 木、漆喰、和紙の自然素材

ひろまに入ると奥の和室まで一気に視界が広がります。

中央には太さ24センチ角の金山杉の大黒通し柱がしっかりと吹き抜けを支えています。

床は東北産の桜の無垢フローリングで米糠油の「キヌカ」を二回塗りして、サクラの色を浮き立たせています。

天井は金山杉の無垢の縁甲板、壁は黄色の鉱物顔料(色粉)を少し混ぜて柔らかい色にした漆喰です。

ひろまの奥まで進んで和室の入り口から振り返ると大きな吹き抜けが目に飛び込んできます。

中央の奥に見えるのが玄関との間を仕切る木の引き戸です。

右手のオープンキッチンの上が二階の廊下で手摺が見えます。

手摺の下の梁(はり)から飛び出すように吊られたものはダイニングテーブルを照らすLEDのペンダント照明です。

吹き抜けの上には主寝室の窓の障子があり一階から二階まで吹き抜けを経由して風が行き交います。


ひろまの上を見上げると家全体を包み込む屋根のあぜくら板が広がっています。

杉の赤身が多い屋根の厚さ3センチのあぜくら板です。

その上には「木の繊維」というウッドファイバー断熱材が100ミリさらにその上には屋根の通気層があるので冬暖かく、夏はすがすがしい環境です。

断熱性と遮熱性、吸音性、吸放湿性、構造安定性など様々な性能と無垢の木の木目が安らぎを与えてくれます。

左側は二階のサッシの開閉、清掃、メンテナンスのための格子状の床のキャットウォークです。

左側は二階のサッシの開閉、清掃、メンテナンスのための格子状の床のキャットウォークです。

和室側を見たところです。

和室の床が約30センチ上がっていますので和室に座卓を置いてお客様が座った時でもダイニングテーブルに座った人との目線が揃います。

和室の畳の下は引き出しになっています。

右側はペレットストーブが置かれています。

前面しか熱くならない安全なさいかい産業のSS-1型です。

冬には炎の赤い色が家族の団欒を演出します。

畳は完全無農薬のベイクアウト畳床と熊本八代のイグサ表と木綿の縁です。

ひろまの東側から西側のキッチンを見たところです。

ダイニングテーブルの上のコードで吊り下げられた照明=コードペンダント照明と吊るための腕木を正面に見てキッチン、奥の造り付け収納、トップライトからの光が見えます。

キッチンの右側は使用している家具を置くためのスペースです。

上は二階の廊下の手摺が上棟式飾りの矢羽(やばね)をデザインモチーフにして造られています。

白い人工大理石のカウンターがフラットに造られたオープンカウンターキッチンです。

奥さまが中心となって家族、来客ともに皆で料理に参加し、楽しむ生活の大きな道具です。

ひろま側は生活小物の引き出しになっています。

キッチン側は引き出しと開き扉の組み合わせで吊り戸棚がない開放感のあるキッチン空間です。

天井は準不燃処理をした杉の無垢板でひろまとの一体感、連続感が感じられます。

これはキッチンの奥の菓子工房です。

正面が勝手口引き戸で、採光通風窓として機能しています。

左のキッチンはステンレスの業務用キッチンでさらにその奥はガスオーブンが設置されるスペースです。

奥さまがマクロビオティックの食事を基本としていますのでその一貫で、パンを焼いたりするための設備です。

ステンレスの壁、天井の掃除がし易い仕上げとしています。

和室と菓子工房の間には書斎があります。約3畳ほどの限られたスペースですが左側は天井までのオープン本棚で、本以外の物も収納。

正面が造り付けの金山杉の樹齢200年の一枚板です。

右側の和室との段差を利用した引き出しはひろま側と同じです。

階段を上がって踊り場で向きを変えると二階のホールに出ます。

右手の個室の回転する欄間=回転欄間の障子から柔らかな光が差し込みます。

正面右側の引き戸は主寝室への入り口です。

正面の水平の梁に斜め45度の掛けられた短めの梁は火打ち梁(ひうちばり)と言います。

地震などで家が横に揺れるのを防ぐための梁で筋交い(すじかい)を横にしたようなものです。

ホールを左に進むと廊下から吹き抜け、東側の窓とキャットウォークが目に飛び込んできます。

吹き抜けの屋根を支える梁ががっちりと水平に伸び、屋根の杉のあぜくら板がのびのびと広がっています。

正面の部屋が個室で、吹き抜けとの間に障子の窓と回転欄間があり、通風とコミュニケーションのための軽い装置として機能します。

左上の少し暗い部分はロフトで、太陽光発電のパワーコンディショナーなどが付けられ収納としても十分な容積です。

左の壁に掛けられたはしごを掛けて出入りします。

廊下から吹き抜けを見下ろすと、空中に突き出たようなコードペンダント照明の腕木が見えます。

梁にしっかり固定されていますが、ステンレスワイヤーで目立たないように手摺から引っ張っているので安心です。

キャットウォークの床は格子床になっているので一階のひろまに窓の光を届けます。

左右の壁際に細長く造り付けられた箱のようなものは間接照明ボックスです。

夜の団欒を壁の反射光で柔らかく包み込みます。

個室から窓側の引き戸を開けてキャットウォークに出て階段の方を見たところです。

上にはシーリングファンが付けられており夏は天井付近のやや高い温度の空気が溜まってうっとうしくないように撹拌します。

冬はペレットストーブによって温まった空気を家全体に対流させることで全館暖房を行います。

吹き抜けに面する壁は漆喰で、その他の部屋は微妙に色の違うロール和紙です。

天井はシェルターのように覆う杉の厚さ3センチのあぜくら板です。

家全体を木、漆喰、和紙が包み込むように覆うことで呼吸する木の家の快適さが実現できます。

南側の主寝室に来ました。

三角形の屋根がそのまま表され左手にクローゼット収納とその上がロフト収納。

たくさん収納できます。思い出の品はそんなに簡単には捨てられませんよね。

隣の子供部屋も同じくロフトがありますので友達が来ると「秘密基地」に早変わりです。

玄関の中の床は外のステップと同じ灰墨入りの玉砂利洗い出しの仕上げです。

金山杉の長さ2Mにもなるカウンターを2枚組み合わせてL字型に造り付けた下足収納です。

扉は金山杉のフレームに木目のきれいな板がはめ込まれています。

取手(とって)は見えませんが、隠し取手(かくしとって)といいまして扉の境目にスリットがあり、そこに手を入れると開けられるようになっています。さっぱりとしたプレーンなイメージですね。

壁と天井の仕上げは熊本の「茶屋の本工房」のロール和紙の「お茶」です。

和紙の中にお茶の葉が漉き込んである逸品です。

他にも「竹」があり、和室の壁に使っています。

奥の小窓はダブルガラスルーバーサッシで二枚のガラスが水平になるので通風性がよく、断熱性もあります。

小さくてもよく風を通してくれますね。

天井の照明はLEDダウンライトで、小さくても明るく、省エネです。

壁と天井の境の入り隅の角には、絵を飾ったりするためのフックを仕込んだピクチャーレールが組み込まれていますので、絵を飾るにも自由自在です。

カウンターの左隅にはコンセントがあり、水槽でお魚が飼えるようになります。

2階廊下の左側には納戸、洗面室、浴室があり洗面室の床はヒノキの無垢のフローリングで腰壁は杉の無垢板を貼って水がかかる壁を守っています。

洗面カウンターは杉の集成板で、大型の角型洗面器を組みこんで、下には引き出しワゴンで小物を収納します。

大型の鏡の上はルーバー窓の欄間ですので視線を気にせず通風が確保できます。

洗面コーナーのカウンターは杉の集成板です。

奥の引き戸を開けるとトイレです。

杉の無垢板の腰壁、壁、天井はロール和紙です。

左のカウンター収納の上はチョッとした飾棚でさらに右手のトイレの上はペーパー収納です。

腰掛け便器は停電でも手動で使えるように一体型のコンパクト型はあえて採用していません。

引き戸ですから出入りがスムーズです。

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