木の家づくりネットワーク|施工事例

深大寺東町の木の家=東京都

実家の思い出を受け継ぐ、多摩産材の木の家

建主さんが以前住んでいた実家を解体して、新築するプロジェクトでした。実家の解体を名残惜しんでいた建主さんの想いを受け、昭和型板ガラスの建具を再利用しました。また、建主さん自ら、左官職人の指導を受けて、個室の壁を塗り上げたり、階段ホールの壁面をデザインしたり、積極的に家づくりに参加してもらうことができました。

仕様

工法・階数
木造軸組工法/
2階建て
面   積
1階47.92m2、2階47.92m2 延床面積95.84m2、敷地面積120.22m2
外 部 仕 様
鉱物顔料漆喰モルタル外壁
ガルバニウム鋼板屋根
内 部 仕 様
(床)イタヤカエデ、ブナ、タモ、杉
(壁)漆喰、ロール和紙
(天井)杉縁甲板、ロール和紙
所 在 地
東京都調布市

PIONT ココに注目

  • 実家の型板ガラス建具を再利用した玄関
  • セミオープンキッチンと3方向窓のあるリビングダイニング
  • 建具職人のハンドメイドによる木のキッチン
  • 左官職人の指導のもと、建主さんが壁塗りに挑戦
  • 大工による木のカーポートと和風門扉
  • 樹齢80年以上の東京多摩産の杉・桧を使用
  • 震度7 にも耐えられる構造安全証明
  • ホウ酸系防腐防蟻処理による高耐久・健康住宅

玄関は、漆喰塗りの壁と杉板天井のシンプルな構成ですが、注目してもらいたいのが、正面の中心に組み込んだガラス建具です。ガラス建具は、この敷地に建っていた実家に使われていたものです。実家の思い出を受け継ぐために、玄関で象徴的に使用しました。建具のガラスは、昭和に製造された「からたち模様」の型板ガラスで、現在では製造されていない貴重なものです。木製の建具枠には、汚れを落とす「洗い」をして、仕上げました。昭和レトロなアンティーク建具が現代の木の家と良く馴染んでいると思います。

リビングは、ダイニング、セミオープンキッチンとつながる仕切りのない空間です。家族の気配が感じられ、会話のしやすい距離感です。多摩産材の一面丸太の柱と梁、ブナのフローリング、漆喰の壁でシンプルに構成しました。南、東、西方向に窓を設け、通風が得られやすい設計にしています。


ダイニングにも、窓を設けています。小道に面しているため、十分に採光が得られます。プライバシーや防犯に配慮して、ガラスは不透視にし、格子を付けています。
窓の左側は造付け収納です。右下のスペースだけ、収納の戸が付いていないのがわかりますか?そこはペット用のスペースです。ペットも家族の一員として大切に考え、部屋を設計しました。

木のキッチンは、建具職人によって、ハンドメイドされたものです。木製の引出し収納に、ステンレスシンク、ガラストップガスコンロ、食器洗浄機を取付けて仕上げました。
シンクの下は、ゴミ箱のスペースとして、オープンにしたいという建主さんのご要望に即して、設計しました。

木のキッチン収納は、大工によって組まれた仕切り枠に、建具職人によって造られた引戸と引出しを取付けて造っています。収納棚は、高さを自由に調整できるため、食器の大きさや量に合わせて、自由に変えることができます。
電子レンジや炊飯器を置くスペースは、機器の寸法に合わせて設計しました。

トイレには、窓が二箇所付いています。当初設計段階では、上の腰窓の一箇所でしたが、建主さんのご要望で下の地窓を設置しました。実家のトイレにも付いていたようです。換気が促進されるので、電力を使う換気扇に頼らない生活ができます。夏季に地窓を開けると、リビングに風が通って快適です。
腰から下の壁は、無垢の杉板です。わずかですが、消臭効果も期待でき、掃除がしやすいため、板張りにしています。

階段は、柱や梁の木組みが良く見える所です。同じ高さ寸法の梁が帯のようにまわっているのがわかりますか?構造計算によって算定した梁の寸法の中で、最も大きい寸法に統一することにより、安全で、美しい木組を実現しています。
階段板は桧です。階段を上るのが楽しみになりそうなくらい、美しい木目です。

階段ホールです。正面に見える木製の建具は、玄関と同様に実家の建具を組込んでいます。
杉板の壁は、建主さん自身が図面を描いてデザインした壁です。当初は無地の壁でしたが、大きな壁面なので何かデザインを、ということで自ら考案されたアイデアが実現しました。板の節が星座のように見えたり、想像力をかき立てられる壁に仕上がってます。

個室の壁は、建主さんが漆喰を塗り上げました。左官職人の指導のもと、壁を仕上げる工程だけでなく、「養生」という周辺を汚さないようにビニールで保護する作業や、「シーラー処理」という壁を塗りやすくするための下地塗装の工程まで、本格的に行いました。

仕上がった個室です。壁はとても綺麗に塗り上がりました。この写真では見えない細かな凹凸もありますが、それが量産品とは異なる味になり、手で塗ったことの証になります。
建主さんは、壁塗りは初めてのようでしたが、すぐにコツをつかみ、楽しんで作業をされていました。大きな壁を塗り続けるのは、大変な作業ではありますが、すべて塗り終えた後の建主さんの清々しさが印象に残っています。

外観は、三角屋根のシンプルな構成です。大和張りで、塀とカーポートを連続させ、統一感を出しました。
庭は、建主さん自らこだわりを持って造られたものです。ビオトープを設え、雑木を植えることで、循環する生態系を創り上げ、とても魅力的な環境になっています。

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